

東京都競馬グループのステークホルダーとサステナビリティ
私たちの空間は、空間を共有するステークホルダーとの良好な関係がなくては成立せず、空間が存在する地域に「住み」「働き」「学び」そして「訪れる」すべての人々にとって、安全・安心と信頼に満ちていることが必要不可欠です。
さらに、公共性の高い事業を中心とした企業であることから、地域社会との積極的なコミュニケーションや、ビジネスパートナーを通じた人権の尊重、倫理・コンプライアンスの遵守は、重要な課題であると認識しています。人権の尊重は、東京都競馬グループのみならず、入居テナントなどのビジネスパートナーの協力が不可欠となりますので、培ってきた相互信頼に基づきビジネスパートナーを通じて進めていきます。
当社の企業理念である“空間に思いを馳せ、人々の笑顔を創造する”を推進するためには、担い手である従業員の健康や安全性の確保、ダイバーシティ&インクルージョンの考慮は必要不可欠であると考えており、地域を中心としたステークホルダーとの共創をテーマとして、サステナビリティ課題の解決に取り組んでいきます。
当社グループの重要なステークホルダー
お客さま
2021年12月31日現在
セグメント | 主な空間 | 2021年 年間開催日数 |
---|---|---|
公営競技事業 | 大井競馬場 |
競馬:有観客開催33日、無観客開催65日 (内、トゥインクルレース:75日) ※年間入場者数約3万人 イルミネーション:94日 ※年間入場者数約14万人 |
伊勢崎オートレース場 |
オートレース:有観客開催63日、無観客開催46日 (内、ナイター開催:89日) ※年間入場者数約15万人 |
|
遊園地事業 | 東京サマーランド他 |
夏季期間を中心に131日間 ※年間入場者数約50万人(関連施設含む) |
倉庫賃貸事業 | 勝島第1・第2・第3地区倉庫他 | 一棟貸し倉庫を中心に、 マルチテナント型倉庫(テナント数:54社)も運営 |
サービス事業 | ウィラ大井他 | 365日営業 ※年間利用者数約216万人 |
※伊勢崎オートレース場の場外発売及びオフト伊勢崎・J-PLACE伊勢崎の入場者数は含んでおりません。
従業員
項目 | 人員数 |
---|---|
グループ全社 | 178 |
うち男性 | 134 |
うち女性 | 44 |
うち女性管理職 | 10 |
うち定年後再雇用者 | 12 |

お客さまの安全・安心と信頼
考え方・方針
当社の企業行動指針の1つである「顧客への姿勢」に沿って、安全・安心を第一とし、お客さまの要望や期待に応えられる施設・サービスを提供していきます。
大井競馬場のアクセシブル対応
大井競馬場では、東京メガイルミを実施している内馬場へ向かう通路に、車いす等昇降設備を設置し、車いすやベビーカーを利用するお客さまがスムーズに通行できるようにしています。また、競馬場内に複数の多目的トイレを設置している他、北門入場直後にある多目的トイレには、授乳室やおむつ台を設置するなどお客様の利便性向上に努めています。

車いす等昇降設備

授乳室併設トイレ
ビジネスパートナーを通じた人権の尊重
考え方・方針
当社グループの事業においては、ビジネスパートナーであるテナント企業との協力・信頼関係が最も重要となります。社会課題の解決に取り組むにあたり、当社の提供する空間で働く全ての人達の笑顔を創造するべく、ビジネスパートナーとの信頼関係を強固にする取り組みを行っています。
東京サマーランド笑顔検討プロジェクト
東京サマーランドでは、「接客体制の統一」の取り組みとして、職種や部署を問わないサマーランドとしての接客体制の基礎、おもてなしマインドの統一を図ることを目的とした「東京サマーランド笑顔検討プロジェクト」を実施しています。これはサマーランドの従業員だけでなく、テナント各社とも協力して取り組んでいます。
【おもてなしスローガンと三原則】

【主な取り組み】
-
①身だしなみとおもてなし行動の統一(サービス業として標準的な身だしなみ)
- 髪色・装飾など身だしなみマニュアルの共有化
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開園時のお出迎え(店頭に立ちお出迎え)
※開園時以外では店頭や各乗り場(アトラクション)での出迎え - バックヤード入退園時の一礼
- 園内美化行動(ゴミを跨がない、店舗の美化、各乗り場の雑草除去など)
-
②スマイルカードの導入
従業員の良い行動を見かけたらスマイルカードにスタンプ又はサインの実施
<目的>- 従業員同士が褒め合う文化の醸成
- 良い行動を素直に褒め合う仕組みづくり
- 評価されることでのやる気と意識の向上
- 当たり前を当たり前と思わず、当たり前な行動であっても褒める
-
③ベストスマイル賞授賞式
サマーランドの運営を支えてくれる従業員ならびにテナント従業員へ感謝を示し、おもてなし行動を率先して実行してくれた従業員を評価・賞賛する機会として、ベストスマイル授賞式を実施 -
④スマイルボードの情報共有
<スマイルボードとは> お客さまからのサンクスレターや従業員の良いおもてなし行動を社内のイントラネット上で報告しあうシステムで、目立ちにくい部署(裏方業務)で働いている従業員の素敵な行動も共有できる。<テナント各社との共有化> テナント各社宛のサンクスレターやテナント従業員の良い行動が掲載された際は必ず情報共有する。テナント従業員の素敵な行動も掲載し、掲載された店舗を全テナントに内容も含めて伝える。

ベストスマイル賞授賞式

接客等の講習会
物流倉庫テナント会社との懇親会
当社グループ会社である東京倉庫では、年に1回全社テナントが一同に集まっての親睦会を実施しています。会では親睦を深めるとともに、安全意識やリスクマネジメントの再確認など様々な情報共有を行っており、テナント従業員の方々が安心して働くことができる施設づくりを心がけています。

地域貢献活動
考え方・方針
大井競馬場の施設を担う会社として、常に馬と深い関わりにあることから、馬を身近に感じてもらえる活動をはじめ、地域貢献活動や芸術文化活動などあらゆる取り組みを通じて、社会に貢献していきます。
馬とのふれあい事業
東京都教育庁および品川区教育委員会と協力し、大井競馬場内で「馬とのふれあい事業」を実施しています。この事業は、主に都立特別支援学校や品川区内の小・中学校(特別支援学級)の子どもたちを対象に、ポニーやミニチュアホースとふれあうという競馬場ならではの機会を提供するもので、馬の魅力を肌で感じてもらうことと同時に、ホースセラピーによる癒しの効果も期待できます。馬が持つ様々な魅力を、本事業を通して今後もより多くの方に伝えていきたいと考えています。

音楽会の開催
当社グループの東京サマーランドが運営する自然と癒しをテーマに愛犬と自然との共生を体験できる「わんダフルネイチャーヴィレッジ」では、音楽系イベントの開催を通じて、各種文化活動の取り組みを推進しています。2021年については、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から開催を見送りましたが、人を集めずに実施可能な取り組みとして、秋川渓谷の四季を音楽にしたチャリティーCDを販売しました。なお、売上金は「わんダフルネイチャーヴィレッジ」内にある保護犬の譲渡センターへ全額寄付し、飼育費や施設の維持費などに活用していただいています。

秋川”四季の奏で”音楽会
大井競馬場防災訓練
大井競馬場の防災体制の強化及び防災対応能力を高めるため、年に2回、大井競馬場内で防災訓練を実施しています。
こちらは当社グループのほか、大井競馬主催者をはじめとする場内関係者も参加し、大井消防署の指導の下、消火訓練、通報訓練、避難訓練を実施しています。
このほか、場内警備担当者に対し消火器および屋内消火栓を使用した消火訓練を実施し、災害時に対応できるよう訓練を行っています。
さらに、自衛消防能力を確認するため、大井消防署が主催し品川区内の企業に対して行われる「自衛消防技術審査会」にも参加し、技術の向上を図っています。

人材育成とダイバーシティ&インクルージョン
考え方・方針
現在の社会において、社会構造の変化に加え人々の価値観が多様化してる中で、当社グループにおいては、従業員の多様性・人格・個性を尊重し、お互いを受け入れ活かすことができる、働きがいのある職場環境を整え、一人ひとりのアビリティやスキルが認められて、さらに個人が活躍できる組織となるよう、人材の育成と体制の整備・強化を進めていきます。
人事育成プログラムの拡充
職務を通じたOJT(On the Job Training)による社員教育に加えて、新入社員研修、社歴・職務別の研修、各種資格試験の奨励制度、またメンター制度を採用し、社員育成を強化しています。
【東京都競馬グループ 人材育成プログラム】

育児・介護休業法への対応
育児や介護を抱える社員が、仕事と仕事以外の生活を両立しながら能力を最大限発揮できるよう、育児・介護休業や短時間勤務制度を導入し、支援制度の拡充に努めています。育児・介護の短時間勤務については、法定を上回る制度を設けており、今後も職場復帰しやすい環境づくりに努めていきます。
<法定を上回る部分の特徴的な制度>
介護休業の期間を、対象家族1人につき、通算180日まで、3回を上限として分割取得が可能
子供が小学校3年生の始期に達するまで育児短時間勤務が可能
対象家族1人につき、その利用開始日から3年の間で3回までの範囲内で介護短時間勤務が可能
再雇用制度
当社グループでは、60歳定年後の就労問題の解決および人材の活用を図るため、2006年4月より再雇用制度を導入しています。定年退職者が持つ能力や技能などを積極的に活用していくために、定年後も引き続き就労希望する従業員に対して就労することができる制度です。 法改正のあった2013年以前から実施しており、現在も多くの従業員が制度を活用し、定年後も活躍しています。

健康と安全性
考え方・方針
全ての従業員が安心して労働に従事し、また従業員とその家族のゆとりと豊かさを追求していくためにも、従業員の健康を第一に考えることで、企業の活性化を図っていきます。
健康管理への取り組み
メンタルヘルスの問題は近年増加の傾向にあり、社員の健康管理は企業において優先すべき事項であります。 当社グループでは、年1回、ストレスチェックを行うとともに、必要に応じて産業医による相談・面談を行うことができるよう、働きやすい職場の確保に努めています。
職場のハラスメントに関する通報・相談窓口としてハラスメント相談窓口を設置し、ハラスメントが発生した場合には即座に対応する体制を整えています。
また、健康診断・人間ドッグを年1回行うとともに、配偶者への人間ドック補助金制度など、社員だけでなくその家族の健康管理も支援しています。
倫理・コンプライアンス
考え方・方針
当社の企業行動指針の7つの柱のうち、特に「コンプライアンスの徹底」「反社会的勢力の排除」に沿って、常に法令を遵守し、社会倫理に適合した公正かつ健全な企業活動を行います。また、反社会的勢力との関係を排除するとともに、反社会的勢力からの不当な要求に対しては、毅然とした態度で臨み、一切の関係を遮断します。
コーポレート・ガバナンス
- 東京都競馬グループでは、役職員の倫理・法令遵守に関する規範として『企業行動指針』を制定しています。
- 業務執行部門から独立したコンプライアンス統括責任者直轄の内部監査部門として内部統制監理室を設置し、PDCAサイクルが機能していることの監理を行っています。
- コンプライアンスに関する通報窓口として(内部統制監理室)、社外窓口(法律事務所)を設置しています。
- 全社員に対し各階層別にコンプライアンス研修を定期的に実施しています。
- 2021年度、腐敗行為による従業員の解雇や法的措置を受けた事案は発生しませんでした。
- 政治献金については、政治資金規正法を遵守し、社内ルールとして事前決裁の上実施しています。2021年度の献金額は0円(東京都競馬グループ合計)であります。